2006 年 7 月 のトピック
京の夏
祗園祭
京都の夏といえば祗園祭。
7月に入ると四条、室町、新町のあたりから
コンコンチキチンの祇園囃子が聞こえてきます。
平安時代初期に流行した疫病を牛頭天王の祟りだとして、
その霊をおさめるために、二条城に近い神泉苑に
当時の国の数66の鉾をたてたのがはじまりだといわれています。
その後、歴史をへて、ペルシャのタペストリーなども
取り入れられ、国際色も豊かに、盛大なものになったといわれます。
八坂神社のお祭りで、7月1日からははじまり、
山鉾巡行の順番を決める「くじ取り式」(2日)、
神輿洗い(10日)、宵ヶ山、宵山、(14?16日)、
山鉾順行(17日)、花傘順行(24日)、夏越の祭り(30日)
と一ヶ月にわたります。
鱧
祗園祭りは鱧祭りといわれるほど、この時期京都では鱧が並びます。
内陸にあった京都では新鮮な魚は手にはいらなかったのですが、
鱧だけは夏に持ち込まれても生きていたといいます。
生命力の強い鱧を食べることで、夏を乗り切ろうとしたと思われます。
ちまき
祗園祭ではちまきの形をしたものをお札と一緒に玄関に飾ります。
これは八坂神社の神様、スサノオノミコトの伝説からきているといいます。
スサノオノミコトは、一夜の宿を提供してくれた蘇民に、
その返礼として茅の輪(茅萱で編んだ輪)を授け、
後世まで蘇民の子孫には疫病の厄を免じたそうです。
ちまきはその茅の輪が変化したものだといわれます。
今でも神社では6月30日には夏越の祓いといって、
大きな茅の輪をくぐる行事が行われています。
むかしは山鉾から巡行の時にちまきをまいていましたが、
危険なので今は鉾で買い求められるようになりました。
きゅうり
祗園祭りの時期は昔の方は胡瓜を食べないと聞いたことがあります。
これは八坂神社の紋が胡瓜に似ているからだとか。
お祭りが無事に終わるようにの時期に、
紋の形に似た胡瓜を口にするのは避けたようです。
科学が発達していない時代、
天災や疫病など悪いことは何かの祟りとして恐れられ、
その霊をおさめるために神事は大切なものだったのですね。
食べ物も密接に関係していて興味深いです。
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